健菜通信:今月の特集

干し野菜で真似る農家の庭先 太陽の力を借りて手間仕事

2018年02月10日
農家の食材作りには、自然を上手に利用する知恵が詰まっています。
天日干しもその一つ。都会でも真似ができる加工法を、試してみませんか。

 健菜農家を訪ねると、その暮らしぶりに刺激され、真似してみたいと思うことがよくあります。例えば、庭先の光景。軒下に干し柿やずいき(芋がら)が下がっていたり、日だまりに置かれたザルの中をのぞくと、豆を乾かしていたり、唐辛子があったり......。縁側のザルの上で陽を浴びているきのこは、その日の夕食用でしょう。
 5月の上越市吉川で見かけるのは、ゴザの上で、クシャクシャになっているぜんまいです。山菜のぜんまいは、茹でた後、手で揉みながら数日がかりで乾物に仕上げるのだとか。働き者のお母さんが、手間ひまかけて干し上げたぜんまいは、地元の煮染めには不可欠。そのおいしいこと! お日様の味がします。
 そんな自然との付き合い方を、都会の暮らしでも取り入れたいものです。


ぜいたくな天日干し

 おすすめは干し野菜。自然に乏しい都会でも、庭やベランダ、あるいは窓際など、陽が射すところがあれば干し野菜は作れます。それに、空気が乾燥している2月は、干し野菜に最適。
 健菜の野菜・果物は甘みや旨みが高いのが特徴ですが、ほんの少し天日干しするだけで、水分が抜けておいしさがアップ。かさが減るので、一度にたくさん摂れ、ビタミンDやカルシウム、鉄分などの栄養価が高まることもうれしい点です。
 市販の乾物は機械干しがほどんどですが、自分で作れば、正真正銘の完全天日干し。太陽が"いい仕事"をしてくれます。


ちょっと干しと、しっかり干し

 干し野菜の手順はすこぶるシンプルです。しっかり洗う→水けをふきとる→野菜を切る→ザルに並べる→干す→できあがり! 切り方も、使い道に合わせて自由にどうぞ。
 ただし、乾燥の程度によって、使い方は違います。最初は、ちょっと干しから始めましょう。
 カラリと晴れていたら、数時間でちょっと干しは完成です。焼く、炒める、揚げる、煮る、蒸すなど、いつもと同じ料理法でどうぞ。調味料がしみ込みやすく、火の通りが早いので、料理時間が短くなり、炒め物などは歯ざわりがシャキッと仕上がります。干し野菜でマリネを作ると、漬け汁も野菜も水っぽくならず、しっかり漬かるものうれしい点です。
 一方、しっかり干しを作る場合は、夜露に当てないように、夕方には室内に取り込みながら、干し上げていきます。完成までに数日かかるので、晴天が続く日を選びましょう。使う時はさっと水で戻します。
 完全な乾物を作るのは難しいので、密封容器で冷蔵庫に保存し、早めに使うようにしてください。オイル漬けなどで保存することもおすすめです。
 晴れた日に、農家の庭先を真似て、手間仕事をしてみませんか。干し野菜を使った料理は、お日様とていねいな暮らしの味がします。



【作り方のポイント】

干す時は、風が通りやすいように野菜の間をあけること。まんべんなく日に当たるように、ザルの位置を動かしたり、野菜の上下を返すようにする。

根菜は皮付きで

 皮をむかずに切るのがポイント。煮物にする時は、大きめに切ると煮くずれしない。炒め物は薄切りに。しなやかさが残る程度に干すと、歯ざわりが楽しめる。れんこんは水に放ってから、その水けを拭いて干す。

葉菜は大きいまま

 白菜やキャベツは、大胆に四〜八つ割りで、切り口を上にして干す。細かく切るとすぐに干からびるので、短時間で干したい時でも、葉は大きなままで。しっかり干しは料理法が少ないので、ちょっと干しが基本。

果菜は水分をふき取って

 水分が多いので、薄切りやひと口サイズにカットし、切り口を上にして干す。塩をひとふりして、水分をふき取ってから干すと乾燥しやすくなり、アク抜きにも役立つ。なすは黒くなるが、問題ない。ミニトマトがおすすめ。

きのこは洗わない


 干しやすく、戻しやすいきのこは、干し加減も自由。水で洗わずに、汚れは刷毛などで落とすようにする。しいたけは、かさを上にして、しめじは小分けして干す。よい出汁が出てスープに最適。

果実は小さくカットして

 薄くカットして、ペーパータオルなどで表面の水分をできるだけ吸収して、早く干しあがるようにする。干すとぐんぐん甘みが増すが、カビやすいので、早めに使い切る。

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