野菜箱の中から、青森県産の雪の下にんじんが現れるようになると、「健菜にんじんジュース」の新搾りのことが気にかかります。健菜のジュースは、にんじんだけでなく、トマトやぶどうも、1年に1度しか作らず、「売り切れご免」です。うっかりすると、買い損ねることも...。
実際、何年か前から、ひっそりとにんじんジュースブームが来ていたらしく、飲みたいと思った時には、遅かったことがあります。今年は忘れないようにしなければ...。
思えば、最初ににんじんジュースを朝食に出した時の夫の反応は冷淡なものでした。
「ぼくは、要らないよ」
無理もありません。私自身、ふつうなら、にんじんジュースがおいしいとは思いもよらず、購入する気にはならなかったでしょう。その時は、雪の下にんじんが大好きだったのでジュースも試してみたかったわたし。すでに味見をして、「いける」と分かっていたのですが...。
あのころは、大瓶しかなくて、栓をあけたボトルがひとりでは飲み切れず、レモンとお砂糖を加えてゼリー(これはおすすめ! 見た目はアプリコットゼリーなのに味はにんじん。極上美味)やポタージュスープを作り、使い切りました。
けれど、今では、夫もちゃんと飲むようになっています。きっかけは、ジュースの出し方をちょっと変えただけのこと。
『健菜通信』で、永田照喜治さんと親しいイタリアンのシェフが、にんじんジュースをワイングラスに注いで、食前酒代わりにしている記事を発見。友人がランチ時に集まったときに、これを真似てみたのです。
好奇心が強い女性が多く、
「口の中がさっぱりする」
「ご馳走を食べる気合いが入る」
と好評でした。
それを見て、飲まず嫌いを克服した夫。今では、自分から「にんじんジュースを飲もう」と言うようになりました。それは付き合いで外食が続いて野菜不足を意識したときや、焼き肉などこってりしたものを食べた翌朝など。体が野菜を欲しがっているのでしょう。
健菜にんじんジュースは、まったくの無添加。滅菌のためのクエン酸も、味を調整する砂糖なども加えていません。
まさに、飲む野菜です。
巷では、にんじんジュースの抗がん作用が注目されているようです。わが家では、それを意識したことはありません。
健菜にんじんジュースは、薬として飲むのではなく、飲みたいときに「おいしいな」と感じながら飲むジュース。それでも健康に役立つことは、疑いようもありません。
(神尾あんず)
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