仕事先での打ち合わせを終えると、ちょうどランチタイム。何を食べようかと考え始めたら、閃いたのがこれ。朝刊で、豊洲への移転前、築地市場内の甘味屋「M」で、早朝、市場で働いている人たちが、次々にお雑煮を注文する様子を伝える記事に刺激されました。ほっこりと温かくやさしい味で、お腹を満たしたい、と。
お雑煮が食べられる店は滅多にありません。結局、電車に2駅乗り、祖母が贔屓にしていた甘味処に行くことに。しかし......。
主役のお餅がいまひとつ。そうなると、気持ちだけでなくお腹も満たされません。あんみつも追加してランチを終え、「うちのお雑煮の勝ち」と独りでつぶやいたのでした。
わが家のお餅は、健菜倶楽部が年末に販売する「〆張餅」。
じつは、これが定番になるまで、あれこれさまよったものでした。東京育ちなので、子どもの頃は、お餅は和菓子店に注文していましたが、結婚後はお店で購入したり、お取り寄せをしながらも、「これに」と定まりません。唯一、いいなと思ったのは、義妹が、故郷・富山のお母さんから送られたお餅をお裾分けしてくれるもの。手作りで分厚くて、1個食べるとお腹いっぱいになりました。そのお母さんが米作りを止め、お裾分けが途絶えた頃に、健菜のお餅を知りました。それ以来、勝手に「上越市吉川は、第二の故郷」と決めて、毎年、食べています。
そろそろ、健菜倶楽部から年末年始のパンフレットが届く頃でしょう。お正月は、弟一家がわが家に遊びに来ます。ご馳走の締めは焼き餅か、お雑煮。そのおいしさはみんなが認めるところですが、4年前、「勝負!」とばかり、義妹がお裾分けを復活させました。富山のお嫁さんがお母さんの後を引き継いでお餅をつくり始めたのだとか。ただし、みんなで食べ比べた結果は、やっぱりわが家のお餅の勝利。その後3年間、負け知らず。連勝中です。
年々、お嫁さんは腕を上げていているものの、来年のお正月も〆張餅の勝利でしょう。私の手柄ではありませんが。
(神尾あんず)
昨年の3月、有明海に面した干拓地に玉ねぎ生産者を訪ねた。 おいしさの秘訣は「にがり」。でも、それだけ...
贅沢のお裾分け 共働きで高収入の若い夫婦を、パワーカップルというそうです。すると、姪はパワーシング...
昨年の3月下旬、熊本県植木町の片山農園を訪ねた。「ひとりじめ」の収穫開始から4日目のことだ。 1週...
トマトは光が強くて、そして気温が低いとおいしくなる野菜。昨秋は気温が高めだったので収穫開始が前倒し...