何を作ろうかな。
そう思いながら、料理本を眺めるのは楽しいものです。最近は、WEB上にもさまざまな料理サイトがあり、つい時間を忘れてレシピ探しをしてしまいます。特に集まりごとが多い年末年始は、「豪華で見映えをよく」とか、逆に「渋めで」と思いつつ、あれを見たり、これを見たり......。それでいながら、結局、自作のレシピ・ファイルから「やっぱりこれ」と選ぶことが多いのですが......。
例えば、「鶏肉のぎゅうぎゅう焼き」。もともとはSNSに投稿された写真が話題になり、広まったものだとか。その紹介記事をプリントして以来、何回、作ったかな。
鶏肉といろいろな野菜を鉄板に敷き詰めて、オリーブオイルをかけてオーブンで焼くだけという、失敗知らずのパーティ料理です。
一方、何回か試した末に形になったのが筑前煮です。結婚後、改めて実家の母に頼んで作り方を教わり、メモを書きとめたのですが、母の味は再現できませんでした。母直伝のレシピは分量がいい加減。食材も調味料も「適量」ばかりです。結局、自分なりに工夫したので、私流の筑前煮になりました。でも、今も母がいたら、「私のよりおいしい」と言ってくれるかもしれません。
近々、高校の同級生たちが遊びに来ます。食事には駿河シャモを使う予定ですが、料理に迷っているところ。駿河シャモは弾力があって旨み濃厚。「ぎゅうぎゅう焼き」にすると、オーブンで焼かれてジュウジュウと溶け出した油が野菜に染みこんで、香ばしくてゴージャスな一品に仕上がります。一方、調味料控えめで筑前煮にすると、鶏と野菜が調和して、上品な味に。どちらにしても、健菜の野菜と駿河シャモの組み合わせは最強ですね。
さて、どうしましょう。「WEBで知った料理」とデジタル派(私の世代では少数派)自慢をするか、「母から教わった」と伝統派をアピールするか。鶏料理はどっちどっち。
(神尾あんず)
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