純米吟醸酒「雪麗」 (720ml 瓶×2本)

純米吟醸酒「雪麗」 (720ml 瓶×2本)

生産・加工:新潟県上越市
内容量:720ml瓶×2本
「清酒」アルコール分/16度以上17度未満
原材料名/米・米こうじ
使用品種/山田錦、精米歩合/50%
本体価格:6,048円(税込)、送料・梱包料:1,080円(税込)
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価格:7,128円
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永田農法山田錦の実力

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 名醸ワインが葡萄の品質から語られるように、この日本酒も、米からこだわりたい。永田農法で栽培した山田錦だけを使って地元で酒を造る。米の個性を引き出す酒造り、その夢の結晶が純米吟醸酒「雪麗」なのだ。

酒米の王者「山田錦」を吉川で育てる

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晩生種の山田錦の収穫は10月末

新潟県上越市吉川地区は健菜米コシヒカリの生産地である。永田農法でのコシヒカリ栽培は今年で20年になるが、じつはさらにその1年前、この地で最初に永田農法を実践したのは、酒米「山田錦」だった。

 山田錦は晩生種のため、生産地は兵庫県と福岡県の一部に限られ、新潟や東北などの寒冷地では、まず栽培できない。しかしこの酒米は白芯が大きく、タンパク含有量が少ないため酒造りには最適な米。酒米の王者と言っても過言ではない。そしてその米から醸される酒は、華やかな香りと奥行きのあるうま味があり、「芳醇旨口」として知られている。越後杜氏の町として全国に杜氏を輩出する吉川地区でも、何度か挑戦したが、ことごとく失敗してきた。そんな時に現れたのが、だれあろう健菜倶楽部顧問・永田照喜治氏だった。

永田農法で、不可能を可能に

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清冽な水が豊富な吉川町。
酒の仕込み水にも使われる。

 新潟の代表的な酒米「五百万石」の収穫時期は9月上旬。対して山田錦は10月末だ。新潟では、穂が登熟する10月の日照時間と積算温度が圧倒的に足りない。しかし永田氏は、標高200~300メートルの山間の棚田の環境と土壌を観察し、肥料を極力控え、植物が持つ潜在的な力を引き出すように厳しく育てることで、生命力の強い、本来の山田錦が収穫できると断言した。

 半信半疑で始めた栽培だったが、驚くべきことに、ほぼすべての田圃で、初年度から最高の山田錦が収穫できた。コシヒカリ栽培に永田農法を取り入れたのは、その翌年からである。全ては山田錦から始まったのだ。

杜氏の町に生まれた酒蔵

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酒母をつくる行程

 そんな中、2001年に吉川地区に第三セクターにより蔵元が生まれた。「よしかわ杜氏の郷」である。ここは吉川産の米だけを使って酒を造る。そもそも吉川地区は、「越後杜氏」と言われ、「南部杜氏」「但馬杜氏」と並ぶ三大杜氏の一つに数えられる杜氏の郷だ。人口6000人の町なのに、100人もの杜氏が暮らしている。

 当時、山田錦での醸造を任された杜氏の富岡武二氏は74歳。吉川を代表する名杜氏である。彼は「米のよさ」が生きる酒造りを目指した。香りが華やかすぎず、芳醇な旨みがありながら、くせのない酒を造る。その年の寒仕込みから始まった。吉川町は豪雪に見舞われ、雪に包まれた霊峰・尾神岳は人を寄せつけない厳しい姿を見せた。凛とした寒さの中で、酒造りが続き、もろみが香りを放ち始めたとき、この酒は「雪麗」と命名された。

無肥料だから大吟醸ではなく吟醸で

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初代杜氏、富岡武二氏

 ところで、醸造に際して、関係者が議論したのは精米歩合である。米粒の表面には、タンパクなど雑味があるため、表面を削り落として中心のでんぷん質だけを使うのが、吟醸洒である。残す部分が少なければ少ないほど「いい洒」というイメージがあり、「大吟醸」は精米歩合が40%以下だ。米粒の半分以上を取り去ってしまうのである。
一方、無肥料栽培の山田錦は、吸収した栄養分をしっかり消化しているので、米粒に残るタンパク含量が少ない。いやな雑味もない。だから米粒の表面を削らなくても、良酒が造れるのではないか。

 議論を尽くした結果、杜氏は「雪麗」の精米歩合を50%に決めた。大吟醸ではなく、吟醸で造ることにしたのである。それは、酒造り60年の杜氏の経験から導いた結論である。生産者たちの思いを考えると、失敗はできない。
 

「米のよさ」を引き出す醸造を

「雪麗」は、麹の発酵も、その後、もろみや掛け米を加えて並行複発酵をさせる過程でも、やや低温を維持し、通常より長く時間をかけた。ゆっくり走らせることにしたのである。

 新潟の銘酒は「五百万石」が主流であることは既に述べたが、この五百万石と山田錦の醸造工程における差は、米のとろけ具合にある。山田錦はトロトロととろけていく。それは無肥料米の場合、いっそう顕著だった。

 日毎に高い香りを放つようになるもろみの状態から、杜氏は、「濾過を最低限におさえる」と決めた。搾りを終えたもろみは、通常、雑味やいやな匂いを取り除くため、炭素(炭)を使って濾過される。その炭を半分に減らしたのは、この洒の旨みを微塵も損ないたくない、個性を殺したくないという思いからだ。

ワインと同じように「米」について語ろう

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山田錦生産者、中村昭一氏

 あれから10年。毎年2月下旬に初搾りを施す純米吟醸「雪麗」は、低温の貯蔵タンクの中で眠り、注文分だけ、瓶に詰め、蔵から送り出す。「どんな風に飲んで欲しい酒か」との問いに、酒米生産者の一人、中村昭一氏は、「できるなら、米と洒の作り手の両方の顔を思い浮かべて」と言う。

 日本酒は、醸造過程については研究しつくされ、蔵元もその過程を磨き上げてきた。ところが、原料の米に関しては、酒米の種類と精米歩合についてしか語るべき言葉はなかった。しかし、フランスの名醸ワインは、シャトーごとに個性を放ち、畑ごと、年ごとの葡萄の品質の善し悪しにこだわっている。

 「雪麗」は、田圃にも栽培法にもこだわり、農家と醸造家が一体になって造りだした日本酒だ。これからは、「2010年産の雪麗」は「2011年」に比べると云々...と評される時代が来ることを願っている。

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