健菜倶楽部から塩麹が発売になりました。私としては、「やっと発売に」と言いたいほど。何しろ健菜米コシヒカリが栽培されている新潟県吉川地区は、頸城杜氏の故郷、健菜純米清酒「雪麗」も醸造され、「麹」の扱いは十八番のはず。米と名水に恵まれ、どこよりも良質の塩麹ができるにちがいありません。
さて、その健菜塩麹を見て、少し驚きました。フランス産海塩ノアムーティエの塩が使われているのもさることながら、あえてコシヒカリではなく永田農法栽培の酒米・山田錦で米麹をつくっているのです。酒蔵にとってどんな米で米麹をつくるかは日本酒の旨さの決め手。その中で品質トップの山田錦は、収穫量が少なく、吟醸酒だけに使われている酒米です。軟質で麹菌の菌糸が米粒の中で伸びやすく、糖化力が強い麹がつくれるそうです。
米、塩、水と種菌、これだけで塩麹はできています。品質にこだわりがない塩麹ブームに対して、「これが本物の味」と、杜氏が教えてくれているようにも思えます。
健菜塩麹は、ノアムーティエの塩の影響で、ピンク色がかっています。なめてみるとやや辛口で、味はしっかり。でも微かに甘みも感じられ、料理のときは、麹だけでなく、ミネラル分も大いに働いてくれそうです。
じつは2か月前まで、わが家には手作りの塩麹がありました。友人が分けてくれたのですが、それを使い切ったあと、「良さそう」という市販の塩麹が見つかりませんでした。
実際に、健菜塩麹を使い始めると、米麹の糖化する力が旺盛で雑味がありません。手作り塩麹より旨みがしっかりと料理に加味されていると感じます。
あれもこれもおいしくなるので、面白くてたまりません。「あれに塩麹を使ってみたらどうだろう。これではどうだ?」と思いをめぐらせ楽しんでいます。
塩麹ファンの友人は「鶏肉との相性が抜群」と言いますが、わが家では、塩麹を塗って一晩おいた豚肉をグリルで焼いた肉が評判です。臭みが消え、冷めても肉がやわらかく旨みアップ。他の調味料は要りません。
魚介の塩麹漬けは、粕漬けや味噌漬けほどは甘くなく、風味もおだやか。残った味噌床のように、使い切るのに困ることもありません。便利です。
ちなみに今朝は、食べる30分前に塩麹で和えたきゅうりとかぶの浅漬け風を食べ、お弁当箱には、塩麹入り卵焼きと、切干しだいこんの塩麹炒めを詰めました。おいしくて、楽しく、小さな探求心をくすぐる調味料です。
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