青大豆味噌 「自家製セット」

素人の手前味噌

 一昨年から、自宅で青大豆味噌作りを始めました。最初は、健菜倶楽部の人から「レシピ付きだし、難しくありませんよ」と言われても半信半疑でしたが、初回からびっくりするほどの出来映えに。上手にできたのであちらこちらの人に差し上げると、これが必ず褒められ、それに気をよくして、さらに人に配った結果、1年分のはずが4カ月でなくなってしまいました。

愛しい味噌樽

 2回目となる昨年は、3倍の量を仕込みました。義母から譲り受けた超大鍋を物置から引っ張りだし、青大豆をコトコト。豆をゆでる甘い香りが、一日中、近所に漂っていたことでしょう。今回は、豆を潰すのも、味噌玉を樽に叩きつけるのにも夫を動員。興味津々で作業台に寄ってくる猫を払いながら、夫婦2人で汗をかきました。
 狭いわが家には「冷暗所」がなく、仕込んだ味噌樽は、玄関のたたきに置いておくしかありません。つまり、その後は毎日、味噌樽が目に入ることになるのですが、それはむしろ楽しいこと。折に触れて「麹菌がせっせと働いているな」と想像し、「おいしくなあれ」とおまじないを唱えてみたり...。おかげで11月には、無事に味噌ができました。もちろん、素人の手前味噌だと自覚はしています。けれど、手作りという自己満足部分を割り引いても、この味はなかなかのものではないかしら。

おいしくできる仕組み

 じつは、味噌を差し上げた中にかなりの食道楽がいて、「なぜ、おいしくできるのか」と質問されました。その場で彼を納得させる説明はできませんでしたが、その後、自分で調べ、おいしくなる要素が掛け算されるからだと思うようになりました。まず大豆が違う。味噌の旨みは、豆のタンパク質と炭水化物のバランスが決め手であり、永田農法の青大豆は、最適最高らしいのです。米麹に酒米・五百万石を使うのも一般には叶わない贅沢な選択。さらに旨みがある天然海塩を使うのだから、自ずからおいしくなる仕組みですね。
 ところでくだんの食道楽氏からは、「味噌を売って」と追加のおねだりをされましたが、「自分で作ってくださいね」と断りました。そのほうが、おいしさの掛け算がさらに加わるはずですから。
(神尾あんず)


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