2017年の吉川里山百景 (12)

2017年12月

冬日和の棚田

耕起後に水が張られ、田んぼは冬支度を終えた。
さて、田水が凍るのが先か、雪が先か。
日は短くなるが、冴える光は美しさを増していく。

よしかわ便り「たなだ」 2017年12月号
冬日和の棚田

冬水田んぼと枯尾花

2017年11月

働き者の人と機械

小さな棚田で働くのは、小さなコンバイン。
コトコトと収穫・脱穀・選別を一気にこなす。
人も機械も、町で最後の刈り入れに精を出す

よしかわ便り「たなだ」 2017年11月号
働き者の人と機械

棚田の収獲

2017年10月

金風さわさわ

万物は木火土金水の5元素からなるとされる「五行説」。
輝く金は収穫の季節・秋の象徴だ。秋の風は金風と呼ぶ。
さわさわと金風にゆれる棚田も光り輝く。

よしかわ便り「たなだ」 2017年10月号
金風さわさわ

刈り入れを待つ棚田

2017年09月

登熟稲の日光浴

籾の中身は米のミルク。とろりと甘い。
やがて、葉の光合成でつくられた養分が登熟をもたらす。
ミルクが固まり、穂が垂れる。黄金の季節がやってくる。

よしかわ便り「たなだ」 2017年09月号
登熟稲の日光浴

色づく稲穂

2017年08月

名水の流れ

ブナの森から湧き出して、里へと下る名水は、
杜氏にとっては仕込みの水。美酒づくりには欠かせない。
稲にとっては命の源。名水がうまい米を育てる。

よしかわ便り「たなだ」 2017年08月号
名水の流れ

吉川水源の流れ

2017年07月

のりめんの戦い

のりめんは棚田の間の急斜面。歩くことさえ難しい。
早春は山菜の宝庫だが、今は、雑草と人との戦場だ。
病害虫や害獣を防ぐには、負けられないと草を刈る。

よしかわ便り「たなだ」 2017年07月号
のりめんの戦い

棚田の草刈り

2017年06月

早苗そよそよ

田植え直後の棚田は、すき間だらけの水鏡。
苗の姿は儚げだが、その根は強くたくましい。
ぐんぐん茎が増えて葉が伸びる。

よしかわ便り「たなだ」 2017年06月号
早苗そよそよ

田植えを終えて

2017年05月

苗半作の緊張感

早苗は田植えを待つばかり。
葉の姿はやさしいが、根は猛々しい。
今年の出来は苗次第。百姓の心意気が伝わってくる。

よしかわ便り「たなだ」 2017年05月号
苗半作の緊張感

田植えを待つ苗

2017年04月

畦青む

雪が解け、冬田んぼの水が温む4月。
畦はたちまち若草におおわれて青みをおびる。
棚田の主は、田植えの準備に忙しい。

よしかわ便り「たなだ」 2017年04月号
畦青む

田植えの準備

2017年03月

春は土から

山里の春は一進一退。けれど、土はぐんぐん温まって
草が萌え出し花も咲く。今日はかたくりを摘んでお浸しに。
季の贅沢、春の息吹の味がする。

よしかわ便り「たなだ」 2017年03月号
春は土から

畦のかたくり

2017年02月

雪の名前

友待つ雪は、次の降雪まで溶けない健気な雪。
屋根から落ちる雪は、しずり雪。
雪の名は美しい。
雪化粧というには厚すぎる雪は、何と呼ぼうか。

よしかわ便り「たなだ」 2017年02月号
雪の名前

深雪の里

2017年01月

神の名の由来

「天から降ってきた天岩戸が尾神岳になった」
昔話を聞いたのは、寒の最中の囲炉端。
尾神の雪景に、子どもの頃を思い出す。

よしかわ便り「たなだ」 2017年01月号
神の名の由来

尾神の雪景

ページの先頭へ