阿蘇の山焼きと高菜の収穫

阿蘇の春は焦げ臭い

 春の阿蘇町には焦げ臭い風が吹いてきます。というのも、町を囲む山々のあちらこちらで、山焼き・野焼きが行われ、牧草の準備をしているからです。最近は、町民が高齢化し、阿蘇五山の山焼きなどはボランティアを募って行われます。結構、遠方からも駆けつけてくれるようです。牛が、明日(4月1日)にいっせいに野に放たれると、それと競争するかのように、枯れ葉色の高原が、緑野へとダイナミックに変貌していきます。

高菜の収穫は1週間おくれ

 その山焼きと同じ頃、阿蘇高菜の収穫が始まります。健菜倶楽部のために特別栽培している阿蘇高菜は、4月3日に収穫します。当初の予定より、約1週間、おくらせました
何しろこの冬は「こんなに寒いことがあったかしらねえ」と栽培をしている森下エミ子さんが言うほどの寒さ。標高450メートルにある農園にも、何回も雪が積もりました
同じ農園の中でも、太田喜重さんに指示を仰ぎながら、畑を選び、完全無農薬栽培している健菜高菜は、葉も小さめですし、茎も短めです。葉の緑色も浅い。そのくせ、生でかじってみると、大きな葉をのばした他の畑のものより、格段と味が濃くなりました。辛みがあるのが当然ですが、健菜用の高菜は辛みだけでなく甘みがあって、生で食べたいほどです。「生まれた時から、冬は高菜を育て、春には漬け込み、いつでもあるのがあたり前」と森下さんがいうように、阿蘇町民にとって高菜は欠かせない食材です。
今回は、フランス産の天然海塩だけで、高菜漬けを作ります。わたしたちとしても、阿蘇高菜とはこんなにおいしいものだったのだ、と分かっていただけるよう、気持ちを引き締め、栽培に取り組んでいます。

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