やんわりの光で育てています

あわら市は石川県との県境、日本海沿いにある町です。海岸沿いを少し南に下ると、かの有名な東尋坊が見られます。こちらは秋が早く、春はゆっくり。私は長い冬に、ほうれん草や小松菜を作っています。

微妙な明るさの冬の陽射し

 私のハウスは、海から5キロほど内陸に入ったのどかな田園地帯にあります。ほうれん草や小松菜は、エグみがなく食べやすくなるよう、肥料を絞って栽培しています。
 ふつうほうれん草は、冬は播種から60日で収穫するのですが、私の農園では90日もかかります。あわら市は冬の光がやんわりとしていて、葉物の成長に時間がかかるのです。でもそれがおいしさの秘訣。微妙な明るさが葉物の成長スピードをゆっくりさせ、肉厚なのに柔らかく育ちます。とくにサラダほうれん草は、生で食べてもエグみがなく、甘みを存分に味わっていただけます。
 この時期、ほかの産地では収穫後の予冷は欠かせませんが、こちらはまだ寒いので予冷いらずです。自然条件が、出荷にも向いています。

加工品作りも楽しい仕事

 ほうれん草が終わると、夏は米やなす、ピーマンなど、秋は柿などの果物を作っています。農産物はそのまま出荷するだけでなく、かき餅や豆餅、干し柿などの加工品にもしていて、1年中楽しく仕事をしています。
(3月11日)


土かぜ農家

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