シーズンを終える充実感

夏の忙しさを懐かしむ

 11月1日、例年より2週間も早く、初雪が降りました。積もりこそしませんが、3日たった今日も、日陰にはうっすらと白い雪が残り、厳冬の到来が間近であることを告げています。寒くなりました。その寒さに後押しされるように、農園の後片づけに追われています。収穫はすべて終わりました。トマトの樹を取り除き、ハウスのビニールもはずしていきます。それなりにあわただしい毎日です。
でも、眠る時間すらない春~夏にかけての忙しさはありません。緊張感も違います。忙しい夏の日々を懐かしみながら、シーズンを終わらせていくという気分。静かですが、充実しています。

悪条件だからこそ個人差が出る

 振り返ってみると、今年は「異常」でした。北海道らしくありませんでした。特に夏は寒くて雨が続き、日照時間の少なさは記録的。トマト栽培もかなり苦戦しました。
経験をしていないことって起きるものなんだな、と思います。農業歴25年の中で始めて経験した番狂わせの悪天候でした。
でも、悪条件を言い訳にしていたら、そこで終わってしまう。その条件を克服して「味のよい野菜を育てる」ところに個人差が出る。私たちの技も智恵もある、他の生産者との違いもあるのですから、この経験は来年に活かしていきたいと思っています。
輸入作物や国内で生産される野菜の安全性など、農業人は、真剣に襟を正さざるを得ない状況にあります。それだけに、「来年はもっといいものを作ろう」という志を大切にしたいと思っています。

本を読むことができるのも2カ月間

 この2カ月ぐらいは本を読む時間などもとれ、楽しみな期間です。とはいえ、来年は1月15日頃にトマトの種を撒き、6月から収穫する予定です。そうなると忙しくて忙しくて......。すぐにそんな時がやってきます。でもそれもまた、楽しみなものです。

土かぜ日記

土かぜ農家

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