びわ農園は急斜面に限る

水はけのよい急斜面でびわを栽培

うちの園地に来た人は、あまりにも急斜面なのでびっくりしますよ。崖をゴロゴロとした土が覆い、そこにびわの木がしっかり根を張っている。木に登り、駿河湾を見下ろすと息をのむほどの美しい景色なのですが......。
永田照喜治先生がうちにはじめて来られてから20年近くになると思います。日照も痩せた土も、潮風も、柑橘類やびわの栽培には最適だと言われました。あの時から、「よし、草刈りでいこう!」と除草剤を止めました。殺虫剤も使いません。口で言うのは簡単ですが、体はキツイですよ。1年に3~4回、うっかりすると転げ落ちそうな急斜面の草を刈ります。でも、薬を止めてから、農作業をするわたしたち自身の体の調子がいい。農薬を使っている他の果樹園に行くと、気分が悪くなりますよ。

農薬嫌いの虫も動物も集まってくる

虫や動物にとっても同じことなのでしょう。みんな、うちに集まってくるみたいで、目を凝らして見ると、園地は実ににぎやかですよ。ヘビもいるし、ヘビと見間違うほどの巨大ミミズもいる。虫もいっぱいいる。もちろん鳥もたくさん来ます。とはいえ、この鳥がやっかいもの。ヒヨドリもひどいけれど、カラスなんかは、収穫間近の木をまるごと1本、30分で食べ尽くしてしまう。困ります。

びわの旬は2週間だけ。香りも御馳走です

この辺は、昔からびわ作りが盛んで、うちにも樹齢60年の樹があります。びわの花は11月~1月ぐらいまで咲いて、3月ごろから摘果をしながら袋掛けをします。今年は3月始めの寒波の影響もあって、収穫はやや遅めになる見込みです。びわの食べ頃は短くて、2週間ぐらい。甘味だけじゃなくて酸味が少しあって味がはっきりしている田中びわを健菜倶楽部のみなさまにお届けします。

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