2020年の吉川里山百景 (12)

2020年12月

霜枯れの里山

師走、極月、氷月、極冬...。12月の和名は多い。
寒風を受け、眠るかのように里山は静まりかえる季。
12月は春待月ともいうそうだ。

よしかわ便り「たなだ」 2020年12月号
霜枯れの里山

山眠る季

2020年11月

錦秋を映す田水

田打ちを終えて水を溜めた冬水たんぼ。
彩られていく里山の秋を水面に映し、
来春の訪れを静かに待つ。

よしかわ便り「たなだ」 2020年11月号
錦秋を映す田水

晩秋の棚田

2020年10月

野分あけ

収穫直前に台風襲来。景色が一変した。
「自然が相手だ。こんな年もあるよ」と生産者。
黙々と、手塩にかけた稲を刈る。

よしかわ便り「たなだ」 2020年10月号
  野分あけ

暴風雨の後

2020年09月

小さくて地味、そして強い花

8月の朝、籾が割れてちっぽけな花が咲く。開花は3時間だけ。
無風でも曇っていても受粉する。虫の助けも要らない。
地味だけど、稲の花は偉い。

よしかわ便り「たなだ」 2020年09月号
小さくて地味、そして強い花

稲の花

2020年08月

棚田の夏色

稲が育ち、青々と連なる田んぼを青田という。
「でもね」と生産者。「濁った色はいけないよ」。
健康な葉の緑色は薄くて透明感がある。大賀集落の夏色だ。

よしかわ便り「たなだ」 2020年08月号
棚田の夏色

大賀の夏

2020年07月

流した汗と米の味

棚田の景色は美しい。おいしい米が実る。
けれど、大型農機具が使えず、人の力が頼りだ。
特に草刈りは......。
急斜面や狭い畦で流した汗が、おいしさを育んでいく。

よしかわ便り「たなだ」 2020年07月号
流した汗と米の味

棚田の草刈り

2020年06月

水音をたどると

尾神岳の奥深く、水音をたどって源流へ。
ブナ林の地下から湧き出た水は、威勢のよい滝をつくっていた。
ザァザア、シャーシャー。枯れることない恵みの水だ。

よしかわ便り「たなだ」 2020年06月号
水音をたどると

吉川の水源

2020年05月

田んぼの波紋

早苗田に水輪が一つ。また一つ。
さてはメダカの仕業かな。
水輪はつながり波紋が広がっていく。


よしかわ便り「たなだ」 2020年05月号
田んぼの波紋

早苗田の水景色

2020年04月

時を待つ段々の水鏡

畦塗り、田打ち、代掻きと春の大仕事が終わった。
とくとくと田んぼに水が注がれて、あとは時期を待つばかり。
田植えはいつに? お天道様と相談だ。


よしかわ便り「たなだ」 2020年04月号
時を待つ段々の水鏡

田植え前の棚田

2020年03月

暖冬異変

この年、大寒を迎えても田んぼは土色を見せていた。
豪雪の里での暖冬異変。このまま春の到来か......。
「雪なしの冬は冬じゃない」と里人はつぶやく。

よしかわ便り「たなだ」 2020年03月号
 暖冬異変

川谷地区の田んぼ

2020年02月

雪の夜が明けて

雪の夜が明けた。空気は凜と澄み、畦は白く光る。
冬水たんぼは、雪片を浮かべている。
棚田の冬景色は目に眩しく、そして清々しい。

よしかわ便り「たなだ」 2020年02月号
雪の夜が明けて

棚田の雪化粧

2020年01月

雪原で祝う小正月

小正月には竹と藁で塞ノ神を組み上げる。
そして点火。雪原の火祭りが始まった。
宙に舞う煤の下で、皆の無病息災を祈る。

よしかわ便り「たなだ」 2020年01月号
雪原で祝う小正月

集落の塞ノ神祭り

ページの先頭へ