健菜砂らっきょう

初夏のキッチン・ホビー

 子どもの頃は苦手だったのに、歳とともに好きになる食べ物があります。らっきょう漬けはその代表でしょう。
 夫は、「らっきょうは大嫌いだ」と宣言していたのに、ある時突然、「僕が大好きなこと、君は知らなかったの」と言うではありませんか。「それなら」とばかり、昨年、以前から気になっていた健菜の砂らっきょうを注文しました。

2種のレシピを試してみる

 届いた箱には、らっきょうとノアムーティエの塩、それにレシピが入っていました。このレシピは、何年もかけて内容を更新し、初めての人でも必ずおいしくできると折り紙付き。慣れるまでは、"適当"や"自己流アレンジ"は禁物。このレシピと寸分違わず作っていけばよいわけです。
 でも、料理雑誌で「簡単! 失敗なし」と紹介されていた作り方も気になります。そこで、両方作ってみました。
 砂らっきょうは、洗って薄皮をむくまでに多少手間がかかりますが、その後の作業に面倒なことはありません。
 下処理を終えたらっきょうの半分は、健菜レシピ通りに塩漬け後に、甘酢に漬け込みました。残りの半分はそのまま耐熱容器に入れて、熱々の甘酢を注ぎ入れて作業終了。
 それからしばらくは、ひと粒取り出しては味見して、「まだだわ」と繰り返していましたが、味見を忘れる頃にちゃんとおいしくなりました。
 どちらのレシピがよかったか...。
 実はどちらもおいしい! これは身質が締まっていて糖度が高い健菜らっきょうの素材力がものをいっているのでしょう。もう、市販品を買う気にはなれません。

レシピは定番を採用

 この1年に私が食べたらっきょうは一生分以上。刻んでサラダなどにも利用しました。わが家に人が集まると、「手作りなの」と自慢げに食卓に出し、「ほしい」という人にお持ち帰りをしてもらった結果、ストックが底をつきました。
 夫は「もうないの?」と不満げです。
 だから今年もらっきょう漬けを作ります。作り方は、長い間コリコリ感が味わえた健菜レシピを採用。初夏の保存食作りはホビーのようなもの。ひと手間かけても、コリコリ感が楽しめる方にします。
(神尾あんず)

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