トースト用の食パンは、6枚切りと決めていますが、お店で一斤のままで買おうかと迷うことがあります。それは「ハニートースト」が食べたい時。パンの表面に切れ目を入れてから蜂蜜をたっぷり垂らし、バターをのせてからオーブントースタで焼くわが家流のハニートーストは、厚さは5センチがベストです。ジュクジュクと黄金色の焦げ目がついたパンをナイフとフォークで食べる朝食は、気分を華やかにしてくれます。
一方、チーズトーストに蜂蜜をかけて黒胡椒を振ったものは夜向きです。食パンを薄めにカットすると、ワインとの相性が良くて、大人の味。ハニートーストのアレンジには限りがありませんね。
思えば、蜂蜜は何とも貴重な食べ物です。ミツバチが、ちょっぴりしか採れない花の蜜を集めたものを、人間が横から頂戴しているのですから...。それが、私が好きな天竜の蜂蜜となると、さらに貴重ではありませんか。
これは、体の小さなニホンミツバチが、森や里の草木の蜜や樹液をあちらこちらから集めたもの。花畑で花蜜を採集するセイヨウミツバチと違い、開花している花を探して飛び回るのだから、その距離も膨大なことでしょう。
調べてみたら、家畜化が進んだセイヨウミチバチは、可能な限り、レンゲやアカシアなど単一の花からしか採蜜しないそうです。だから百花蜜は少なく、人間がブレンドしたものがあると知りました。
天竜の蜂蜜は微かな酸味があって、香りが豊か。舐めてみて「なるほど、これが滋味か」と思える味は、幾つもの蜜源が混じり合っている百花蜜だからなのでしょう。働き者のニホンミツバチくん、ありがとうね。
そんな蜂蜜は大切に食べたいもの。実は、蜂蜜ごとトーストする作り方は、白く結晶化した蜂蜜づかいにもぴったりです。気温が下がると結晶化するのは、天然蜂蜜の特徴。湯煎すると結晶が溶けますが、私はあのシャリシャリ食感が好きで、溶かさずにそのままヨーグルトに混ぜたり、ハニードリンクを作ったりしています。 (神尾あんず)
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