「蒟蒻問答って言葉、知っている?」
「何それ、そんな四字熟語があるの?」
これ、遊びに来ていた姪との食事中の会話です。その日は、簡単に作ったこんにゃくの甘辛炒めが「メチャおいしい」という彼女の褒め言葉からこんにゃくの話題になったのでした。
けれど、会話がどうも噛み合いません。まさに蒟蒻問答です。そして、「健菜倶楽部は海産物も扱っているのね」という姪の発言で気づきました。彼女は、こんにゃくの原料が海草だと思い込んでいたのです。呆れた。
思えば、若い頃の私も似たようなものでした。自分からこんにゃく料理を作ったことはなく、関心はゼロでした。
年齢とともに味覚は成熟するのでしょう。じんわりとこんにゃくが楽しめるようになってきたのです。そして健菜のこんにゃくには、「原料や製法によって、おいしさがこんなに違うのだ」と気づかされました。健菜のは、食感はちょっとサクッとしていて、臭みがなくて、味しみが良いですよね。
この日、姪には「原料はこんにゃく芋という芋。3年がかりで作るらしい」などとスマホの画像を見せつつレクチャー。
「昔、こんな製法を発明した人は偉い」と、ふたりの意見は一致したのでした。
さて、「蒟蒻問答」とはトンチンカンな会話のことだと説明すると、姪は「それはこんにゃく様に失礼かも」と笑うではありませんか。彼女は、ダイエットや便秘解消に役立つことなど、健康効果情報は私より詳しくて、トンチンカンな食べ物なんかではないというわけです。
後日、調べてみたら「蒟蒻問答」は落語に由来する言葉。和尚に扮したこんにゃく屋と、道場破りのように寺に禅問答を挑んできた禅僧とのちぐはぐなやり取りが滑稽な古典落語です。私はこんにゃくのプルプルとした感触からイメージされた言葉だと思い込んでいました。誰かとこんにゃくの話をする機会があったら(あるかな?)、この知識も披露しなくては...。
(神尾あんず)
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