和風もいいね!

 「こんなことも知らなかったとは!」と我ながら自分の無知に呆れることがあります。その一つがお茶のこと。日本茶も烏龍茶も、そして紅茶も同じ茶葉からできるもので、異なるのは加工法だけだったのですね。と、書くと「無教養!」と驚かれるかな。言い訳をすると、それに気づいたのはかなり前、三十代の頃でした。

ロンドン土産の日本茶?

「この時期しか手に入らない、貴重な紅茶だそうだよ」
 ロンドンの学会に参加した夫が、土産に持ち帰ったのは有名ブランドの紅茶缶。研究仲間の女性に勧められて本店に出向き、計り売りで購入したのだとか。「新茶らしい」と。
 興味津々で煎れてみると、黄金色で、若々しい香り。「おいしい! でも、どことなく日本茶みたい」と言いつつ飲んだのは、今にして思えば、春摘みのダージリン「ファーストフラッシュ」だったのでしょう。
 その時、紅茶と日本茶の間には、例えば原料も製法も異なるワインと日本酒のような違いがあると漫然と思い込んでいたことが、間違いだと気づいたのでした。
 さて、嬉野玉緑茶の茶園が紅茶をつくり始めたと知ったのは、その10年後ぐらいではないでしょうか。その時は(もう無知ではないので)、「やっぱり」と思いました。茶園の主は、永田農法で無農薬栽培に取り組み、製茶方法やブレンドにこだわる研究熱心な人だと、健菜通信などを通じて知っています。きっとオリジナリティにあふれる紅茶をつくるにちがいありません。
 「さて」と、これも興味津々で嬉野紅茶を試してみると、香りも味もふんわりやさしい。繊細な日本人の味覚にあっていて、茶園の挑戦は成功したなと感じます。
 わが家では仕事中のティータイムは外国製の癖の強い紅茶、休日は嬉野紅茶を選ぶようになりました。洋菓子だけでなく、和菓子との相性の良さも魅力。和風の紅茶、気に入っています。

紅茶の未来

 ところで、最近、わが無知ぶりを再発見。戦前の日本が世界有数の紅茶生産国だったことを、私は知りませんでした。昭和40年頃に、価格と品質の競争でインドやセイロンに敗れたそうですが、将来は、再び世界から注目されるかも。おいしい嬉野紅茶をいただいているとそんな気がしてきます。
(神尾あんず)

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