テレビをつけたら、タレントさんが何かを食べながら「メチャメチャおいしい」と言っている場面。食べ物系情報番組で頻繁に耳にする、この言葉が私はちょっと苦手です。「おいしい」では言い尽くせない異次元の味ってこと?
それ、そんなにあるのかな。
大袈裟なリアクションではなく、思わず口からこぼれ落ちてくる「おいしいね」が本当の褒め言葉なのに...。
「A先生をランチに招待していいかな」
1カ月前、夫に訊かれて「もちろん!」と答えたものの、その瞬間から「料理はどうしよう」と迷い始めました。夫の研究の指導者だったA先生は相当の食いしん坊。現役引退後の今は食べるだけでなく、つくる方も熱心で、科学者らしく料理術を真剣に追求中なのです。時折、ご自宅に招かれて、その成果のご相伴にあずかっているだけに、ランチの献立が決まりません。
「気負わずに我が家らしくしよう」
と、迷うのを止めたのは来訪の数日前でした。わが家の口福は素材の良さが決め手です。それを味わってもらえばいいではありませんか、と。
そんなわけで当日は健菜米の塩むすびや駿河シャモのオーブン焼きなど、健菜ぞろいになりました。さらに「今日の主役は野菜です」と言い添え、温野菜& 生野菜に健菜たまごのマヨネーズを添えて
シンプルに食べてもらうことにしたのです。
「おや、このマヨネーズ、おいしいですね」
食事の一口目にして、早速、先生の「おいしい」を頂きました。やった!
私の料理ではなくて、マヨネーズでしたが仕方ありません。先生の美味感度にピピッとときたのでしょう。マヨネーズに興味津々で、質問されるままに健菜のことや、全卵と綿実油が材料であることなどを伝えることになりました。
この日は「料理は素材の良さ次第」という会話にもなり、最後に「おいしくてとても満足しました」と言い残して帰っていかれました。お世辞ゼロの感想です。
健菜の食材やマヨネーズがよい仕事をしてくれました。
(神尾あんず)
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