柿漬たくわん

お茶請け大好評

 幼い頃、父から「世界の空港には、食文化によってそれぞれの国独特の匂いがあるんだよ」と聞かされました。そして、「外国人に言わせると羽田空港はたくわんの匂いがするそうだ」と。その時は、「そ〜なんだ」と納得したのですが......。

空港にたくわんの香り?

「そんなわけない」  そう確信したのは、漬物を好まなかった二十代の頃。初めて海外生活を経験し、半年ぶりに成田空港に戻ってきた時には、父のうんちく談を思い出し、鼻をくんくんさせてみましたが、たくわんの匂いなど全く感じません。
 ところが最近、「半世紀前なら、あながち外れてはいないかも」と思うようになりました。歳とともに、昔の日本人の好みに私も近づいてきたせいでしょう。今、外国人がわが家に来たら、たくわんの匂いを感じるかもしれません。
 年末年始のカタログで、選んだことがきっかけで、わが家の食卓にたくわんが頻繁に登場するようになりました。茶道の茶事では懐石料理の締めくくる一品にもなっています。
 健菜には「柿漬」と「粕漬」の2種のたくわんがありますが、甲乙付けがたく、結局、注文は1年毎に行ったり来たり。今年は柿漬の番。渋柿由来の甘さは嫌みがなくて自然、いろいろな旨みが重なりあい、ポリポリと後を引くおいしさです。

職人さんも絶賛

 今年は、健菜のたくわんを絶賛する人物が増えました。それはわが家を建ててくれた大工の棟梁。年初に改修工事に来てくれたのですが、その休憩時間にたくわんを出したところ、恐縮しつつも「おお!いいですねえ」と破顔。休憩後に「とってもおいしい」とお世辞抜きで褒められて、3日間連続でたくわんを出しました。
 じつは、「お茶請けはお菓子」と決めつけていたので、私には初めてのことでした。でも、お茶とたくわんの相性はバッチリですね。昔はそれが当たり前だったのでしょうが、私にとっては新鮮な発見でした。
 以来、夫にお茶を所望されると、たくわんを添えることがしばしば。お茶請けとしても大好評なのは、やはり健菜たくわんならではの、おいしさ故でしょう。 (神尾あんず)

※純米吟醸「雪麗」の酒粕に漬けたたくわんもご用意しています。

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