「やっぱり、家のごはんがいちばんだね」
「うん、素材がいいから」
この会話、わが家ではかなり頻繁に登場します。この日の献立は駿河シャモのソテー。皮をパリパリに焼いてノアムーティエの塩と胡椒で味を付けた超シンプル料理でした。
じつはその前々日まで、私たちにとっては贅沢な旅行を楽しんでいました。有名店やホテルで凝った料理を楽しみ尽くしたものの、帰宅後は「美食疲れ」で食欲ゼロ。その食欲が戻ってきたタイミングでの食事でした。
この時の「おいしさ」に★を付けるなら、旅先の食事と同じ数になるかもしれません。ま、独断ですが......。
野菜やお米など、普段づかいの食材が良いと、私のように手間がかかる料理が苦手でも、食事がグンとおいしくなりますね。鶏肉もその一つ。駿河シャモは、味がしっかりしているので、焼いただけでも「いい味!」と自画自賛したくなるのです。歯応えがあって、ジューシーな鶏肉は、生産者がこだわりをもって生産しているのでしょう。
そういえば、旅行中に合流した友人が「日本人はやり過ぎる」と嘆いていました。彼はある開発途上国で日本企業のサポートをしているのですが、ハイスペック、ハイクオリティが良いと頑固に信じているので、かの国では安直で廉価な海外製品や事業に負けていると悔しそうです。
でも、その時、私は食べ物のことを思い浮かべていました。「日本人のその気質、好きだわ」と。何によらず、技を極めたいという気質のおかげで、トマトや果物は世界一おいしいのではないかな。牛肉やお菓子も然り。鶏肉もその一つでしょう。駿河シャモの旨み、ただ者ではありません。
ところで、技を極めるだけでなく、それを賞賛して応援する気質も私たちは持ち合わせていますよね。私には特定の技を極める気概はありませんが、後者は自信あり。偉そうに宣言することではないかしら。ともあれ、技ありの食材の数々は、「生産者さん、ありがとう」と思いつつ、食べています。
(神尾あんず)
【スペック】
品番 311
■内容:ムネ、モモ、ササミ、肝、手羽先、手羽元、ガラ(1羽分)
■メンバー価格:100g/648円(一般:702円)
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