「それ、許せないのよね」としばしば口にする友人がいます。例えば、帽子をかぶった着物姿の若い女性。彼女は、冷奴にオリーブオイルを垂らす食べ方も許せないのだとか。私とはずいぶん違います。私は、着物を自由にアレンジして着ている子は「かわいい」と応援したくなるし、食べ物に関しては「おいしい」と感じられるなら、どんな料理法も二重丸です。
「豆腐には醤油!」と言い切る彼女に異論はありません。でもオリーブオイルと塩をかけて、時々、おいしさのバリエーションを楽しむ方がいいんじゃない?
私はオリーブオイルを多用しています。サラダ、パスタ、カルパッチョといった定番だけでなく、冷たいぶっかけうどんの仕上げに回しかけたり、卵かけご飯に垂らしてみたりと、その使い方を挙げるときりがありません。オリーブオイルの使い方に限界なし、です。
でも、そう断言できるのは、質の良いものを常備できるようになったからでしょう。母は「独特の匂いが苦手」と言っていたけれど、それは今のように良質のオイルが身近になかったからだと思います。
例えば、健菜の「CARMエキストラ・バージン・オリーブオイル」。その香りは果実のよう。実際、摘みたての実を絞ったジュースのようなオイルだそうです。味は少しビターで癖がなく、料理のおいしさをアップしてくれると感じます。瓶が空になるスピードが早いのには、自分でも驚きます。好きです、このオイル。
今年、南欧諸国ではオリーブが不作だと報道されています。どうか、この農園が無事に収穫できますように。
ところで、イタリア人にとってオリーブオイルは、日本人にとっての醤油と同じだと聞いたことがあります。そうなのかもしれません。風味豊かな調味料でもある、ということ。醤油同様、使い方のアレンジに限界がないのも当然かもしれません。友人にも試してもらいたいものです。
(神尾あんず)
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