作物の価格と価値

作物の価格と価値

 これまで農家の大半は、野菜や果実の価格を自分で決めることができませんでした。出荷先である農協や仲買いが提示する金額に従うだけで、たとえ、市場で極端な安値が付き、出荷できない事態になっても「仕方がない」と諦めてき たのです。
 じつは、健菜の生産者のように「私の作物はこれだけの価値があるのでこの価格で」と考えられる生産者は少数でした。
 それが、少しずつ変化しています。
 コロナ禍で直販が増えたこともその一因。今はまだ、周囲を見比べて直販価格を決めたり、安値競争に陥りがちです。けれど、栽培コストや「おいしさ」に見合う価格で消費者に買ってもらいたい、それにはどうしたらいいかと考える生産者が増えつつあると感じます。
これは歓迎すべきこと。品質の高い作物を育てている生産者の努力が、しっかり報われることは、農業の未来に差す光です。

永田まこと (健菜倶楽部生産部 顧問)

全国の生産者を訪ね、父に代わって永田農法の指導もしている。

新着エントリー

  • 「にがり」が要の玉ねぎ栽培

    昨年の3月、有明海に面した干拓地に玉ねぎ生産者を訪ねた。 おいしさの秘訣は「にがり」。でも、それだけ...

    健菜通信:今月の特集 | 2024年04月
  • トマトジュース

    贅沢のお裾分け  共働きで高収入の若い夫婦を、パワーカップルというそうです。すると、姪はパワーシング...

    健菜スタイル | 2024年04月
  • 50余年、培った技を伝えつつ 父子でつくる小玉すいか

    昨年の3月下旬、熊本県植木町の片山農園を訪ねた。「ひとりじめ」の収穫開始から4日目のことだ。 1週...

    健菜通信:今月の特集 | 2024年03月
  • おいしく育てる基本は足し算

     トマトは光が強くて、そして気温が低いとおいしくなる野菜。昨秋は気温が高めだったので収穫開始が前倒し...

    土かぜ日記 | 2024年03月
ページの先頭へ