幻の野菜復活に一役

幻の野菜復活に一役

 「植物遺伝資源」という言葉を知っていますか。これは種子や細胞などの遺伝素材のこと。この資源を収集・保管・研究している機関は「ジーンバンク(遺伝子銀行)」と呼ばれています。いわば、後世に植物を伝え続けていく「ノアの方舟」です。
 現在、日本では約24万点の植物資源が保管されていて、資源や情報が品種改良に活用されています。
 一方、優れた特性がありながらも幻となっていた昔の作物の復活にも役立っています。例えば関東大震災後に消えてしまった東京の「寺島なす」や「内藤とうがらし」。山田錦の親である「船渡」も滋賀県などで復活栽培されるようになりました。
 ジーンバンクには、伝統野菜を復活させたいという相談が、数多く寄せられているといいます。これからそんな伝統野菜を目にする機会が増えていきそうです。

永田まこと (健菜倶楽部生産部 顧問)

全国の生産者を訪ね、父に代わって永田農法の指導もしている。

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