健菜通信:今月の特集

夏本番!北の大地から 新鮮野菜がやってくる

2019年08月01日
北の大地で健菜のおいしさを支える高橋農園。
のびやかな一家を取材した。

健菜の生産地は、季節とともに移り変わる。北海道は旬のリレーの北限・最終ランナーの舞台だ。高橋毅典さん(44歳)は、そんな北海道で夏の健菜のおいしさを支え続けている一人である。
 高橋農園を訪れたのは6月末。農園では、毅典さんをはじめ、ご両親の龍男さん(75歳)、秀子さん(69歳)が揃って取材チームを待っていてくれた。
「よく来たね〜」
 いつもにこやかな秀子さんの出迎えに心が和む。その背後には広大な農園が広がっている。視界に占める青い空の割合が圧倒的に大きくて、開放感にあふれた景色だ。

冬野菜ではなく夏野菜?

 農園がある石狩郡当別町は、豊かな水に恵まれた田園地帯だ。小麦生産が盛んだが、高橋農園が力を注いでいるのはブロッコリー、スティックセニョール、カリフラワー、とうもろこしなどの野菜類。
 とうもろこしは別として、他は春冬野菜に分類されるものだが、冷涼な気候を活かして、野菜のおいしさを追及してきた。中でも、「花野菜」と呼ばれるカリフラワーの品質の高さで知られる。しかも、栽培しているのは一般的な「白」ではなくて、「オレンジ」と「紫」、それに不思議な形をした「ロマネスコ」というやや珍しい品種。
「だれでも作っているモノじゃ、つまらないもの」と、毅典さんは、その理由を説明する。食べる人が、「おっ!」と思える野菜を選んだのだという。


 45年前、もともとは水田だった農地を畑にして、野菜の栽培を始めたのは父の龍男さんである。国の減反政策で「転作を余儀なくされたので」と龍男さんは言うが、息子の毅典さんが就農すると、一家は「量より質の農業」へと大きく転換。畑の面積も徐々に増えたという。
 毅典さんは大学の酪農学部で学んでいた頃、「消費者のニーズを把握して、これからの農業のあり方について考えよう」と仲間を募り、自主研究に取り組んでいた。その頃、地元誌の取材に次のように語っている。
「今までの農家は、生産にだけ力を注いできたけれど、これからは、自主販売を考えていかなければならないと思う」
 そのためには、消費者に評価される野菜を作ることが大切だ。何をどうつくるか、試行錯誤の末に今がある。

鮮度を保つために

 農園の土壌は、石狩川流域に特徴的な「泥炭土」だ。保水性が高くて、雨が降ると粘土状になるが、乾くとコチコチに硬くなる上、栄養価も少ない。理想の土とはほど遠く、扱いにくい土だが、永田農法の理念には適っていた。さらに、長年、土壌改良を続けて、最適な環境をつくりあげてきた。
「日照時間が多いことや、絶えず気持ちよい風が吹いてくることも、私たちの味方です」と毅典さん。
 そんな毅典さんが、長年、力を注いでいるのが、収穫後の野菜を最適な状態で出荷することだ。
 農園では、収穫した野菜は、すぐに予冷をする。「30分以内に」と決めているから、収穫作業中は、トラックが畑と予冷庫のある倉庫との間をピストンのように往復する。

 予冷は、野菜の温度を2〜5度にまで冷やし、野菜の呼吸や蒸散作用などの生理機能を抑え、花蕾が開いたり、糖度が落ちたりすることを防いでくれる。さらに......、
「出荷する時は、発泡スチロールの箱に氷を詰めるのよ」と秀子さん。
 これは鮮度を保つには、もっとも理想的な方法だ。
「人手が頼りでしょう。仕事が集中するから、大変なの」と、秀子さんは言いつつ、「おいしいまま、消費者に届けたいと、息子が頑張っているから」と付け加えた。頼もしそうに毅典さんを見る表情が印象的だ。
 今、農園からはスティックセニョールやカリフラワーなどが届いている。ほっこりとした食感と甘さをどうぞ楽しんでください。

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