若い頃の私は「鉄の胃」を誇っていました。アフリカやインドを旅行しても、食事は問題なし。どこであれ、現地のものをそれなりにおいしく食べられる体質でした。
ところが、ギリシアで七転八倒したことがあります。ラム肉の煮込みに当たり、どんな食べ物も受け付けられずに三日間、ホテルにこもり切りに......。果物を見るのさえ嫌、ミネラルウォーターもうんざり......。
うんうん唸っていた私を救ってくれたのは、温かいお味噌汁でした。
「ああ、お味噌の匂い!」
現地の日本人女性が差し入れてくれた魔法瓶の蓋を開けると、湯気とともに懐かしい香りがするではありませんか。ホッとしました。そのお味噌汁を、私は何杯おかわりしたことか。それは「おいしい」を超越した、安らぎの味。砂漠でオアシスにたどり着いたようなものでした。
最近、その事を思い出しました。たまたま旅行や外食が重なり、わが家で、普通のお味噌汁が登場するのは一週間ぶりという朝食時のことです。
「この味噌汁さえあれば、言うことない」と夫。
同感です。前日まで、結構な美食が続いていましたが、ホッとする味には敵いません。
いえ、ホッとするだけでなく、おいしさも、わが家にとっては敵なしかな。
青大豆味噌の風味の良さは他では味わえません。市販の味噌も試しましたが、結局、わが家は青大豆味噌に戻ってくるのです。旨みが深く、穏やかな香りは上品。ほどよい甘みとしょっぱさで、どんな具材とも相性がよし。原料の青大豆や麹、それにフランス産の塩が醸し出す自然なおいしさ、大好きです。
昨日は、「きゅうりがあるのでお味噌で食べますか?」と提案したら、夫は大賛成。さらに「明日は、味噌おにぎりにしてくれないかな」ですと。
了解です。味噌おにぎりは、夫は「炙り焼き」派、私は「そのまま」と好みが分かれますが、さて、どちらにしようかな。青大豆味噌、シンプルに堪能しています。
(神尾あんず)
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