秋田県男鹿市の大越一家が栽培している青大豆は、健菜を代表する作物だ。脂質が少なくて、糖度が抜群に高い。馥郁とした香り、翡翠色の美しさ、そして、雑味がないおいしさも秀逸だ。その品質は、豆の専門家から一目置かれ、高く評価されている。
じつは、父の大越昇さんが永田農法による大豆栽培を始めたのは約30年前のことだ。故・永田照喜治氏は、頻繁に大越農園を訪れて、熱心に指導してくれたという。無肥料栽培の大豆畑は、夏、淡い緑色に染まる。一方、地中には、根粒菌がたくさん付着した細かい根が密生する。その姿は生命力に満ちている。そして、秋にはすべての養分を豆に送り込み、葉もさやも茶色く変わっていく。さやの中には、完熟した青い実がみっちり詰まっている。
一家がその畑で、年々栽培技術を高める姿を見ることは、永田氏にとっても楽しみだったのだろう。
現在は、昇さん、一也さん、そして冬也さんの父子孫の三代が、最高の食味を目指し続けている。その進歩は止まらない。
最近の納豆は小粒が好まれる。けれど、健菜ではあえて大粒の青大豆で製造。歯応えがあって、がつんと力強い味がする納豆だ。
製造を担っているのは東京の老舗、登喜和食品だ。代表の遊作誠さんは「誰がどのように栽培した豆で、こう作りましたと、胸を張って説明できるものを作りたい」と、長年、品質の高い大豆の生産者を探し出して、手を組んできたという。
そんな遊作さんは、大越さんの青大豆を知ると、「これは凄い」と称賛。そして、この個性を最大限に生かすべく、時間をかけて製造方法が開発された。こだわったのは納豆菌の性質だ。何回もの試作の末に選ばれたのは、純粋培養の糸引きの強い菌である。さらに、経木に納豆をつつんで熟成発酵をすすめることにした。松の経木の爽やかな香りにつつまれて、大粒なのに芯まで納豆菌がしっかり浸透する。そして独特の旨みが存分に引き出されていく。
ほろほろとやわらかい昨今の納豆とは、いわば対極にある青大豆経木納豆は、噛み応えがある。豆の味がする。素朴で、そして力強い。毎日の食卓で味わえる本物の美味だ。
納豆のお供といえば、ねぎに辛子。 そんな安定の美味もよいけれど、アレンジレシピには 限りがありません。意外な食べ方もいろいろ。 ぜひ、新しいレシピもお試しください。
超大粒といえる健菜の納豆は、食事の主役を張れる存在感。 食卓の真ん中に出すボリューミーなお料理にも使いましょう。例えば、大皿サラダや炒め物はいかがですか?
- 中華ドレッシングに納豆を混ぜる。
- 水切りした豆腐を野菜とともに器 に盛り、納豆入りドレッシングをかける。
お供の極意
- 調味液と納豆をさっくりと合わせる。
- 野菜をサラダ油で炒め、しんなり したら①を手早く混ぜる。
納豆のお供(ちょい乗せ食材)選びは、常識にとらわれず大胆に。納豆+薬味、納豆+漬物、納豆+発酵食品、納豆+魚介など、組み合わせは無限です。
ご飯にかけたい時は納豆を刻んで、酒の肴などには、食材を大きめにカットします。
発酵食品同士の組み合わせで、うまみをさらに引き上げます。チーズはクセの強いものもよく合います。この他、キムチ、ぬか漬けとの相性がいいことは、今では常識かもしれませんね。
いか納豆、やまかけ納豆、しらす納豆、ちくわ納豆など、魚介も納豆のお供として活躍します。明太子&大根おろし&納豆は、レモンでさっぱり味に仕上げてはいかが。
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