健菜スタイル

健菜の「だし」

2012年09月01日

だし名人の仲間入り

 わが家の「だし」が大きく変わったのは3年前のこと。まず、みそ汁が格段においしくなりました。出張から帰った夫の第一声が「家のみそ汁が飲みたかった」と、それまで聞いたこともない言葉だったときは、驚くと同時にだしの力を再認識。だしがよいので、澄まし汁やけんちん汁の出番が増え、茶碗蒸しはお客様にふるまえる自慢料理になりました。
 私の腕が上がったわけではありません。その頃、健菜倶楽部が紹介をはじめた、うね乃のおだしのパック「じん」のおかげでした。

出汁はむずかしい


 じつは、ライターという仕事柄、料理人がだしをとる調理場に、メモ帳片手に立ち会う機会が何回かありました。その度に、その微妙な加減やさまざまなこだわりに脱帽したものです。一流といわれる店が、水にこだわり、昆布やかつお節を厳選していることは想定内でしたが、花かつおに種類があり、そのブレンドまでしていることには驚きました。火を止めるタイミングがわずかにずれると雑味が出るとも聞きました。そのため、家庭で料理店と同じ味を求めるのは無理と、あっさりとあきらめていたわたしです。
 ところが、「じん」使うと、火加減や時間など気にしなくても、おいしいだしができてしまいます。その味は、取材した名店にも劣らないのではないか、と思うほど。
 これまで試したパックだしは、生臭かったり、個性が強すぎるので濃い味付けになりがちでした。しかし、「じん」は変なくせがなくて、いろいろな料理と相性がいいことも気に入っています。
 これほど旨みが効いて上品な仕上がりになるのには、きっといろいろな工夫が凝らされているに違いありません。

料理人を支える
 だしの技

 「じん」を作っている京都のうね乃は、老舗料理店を顧客にしているおだし専門店。出汁専門店があるということに驚きますが、この店は昆布やかつお節などの素材を全国から探し、目利きの技で厳選。しかし、それを販売するだけではありません。
 店には、料理人が料理に使う水を持ち込み、試作をしながら、どの素材をどう使うかを決めていくといいます。それに合わせて店の職人さんが、血合いをまったく含まない花かつおも作れば、空中に舞うほど薄く削る場合もあるのだそうです。つまり、だしに関する知識や経験が豊富で、高い技があるということ。もしかしたら、だしに関しては、どんな料理人もかなわないかもしれません。
 きっと、素人でもよいだしがとれるように、だしパックに、出汁専門店の智恵と技が凝縮されているだと思います。「じん」を使っていると、技がないのに出汁名人になってしまっていいのかな、と思うことすらあるのです。
 じつはそんな気持ちも手伝って、時間が許すかぎり、パックではなく、まじめにだしをとるようになりました。そのことは機会を改めて書かせていただきます。
(ライター 神尾あんず)


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