健菜スタイル

自然薯

2013年12月01日
楽しいとろろの宴

 11月になると、健菜倶楽部から恒例のパンフレットが届きます。年末年始向けの食材や、冬から春にかけて旬を迎える果実などが紹介されている紙面を開くと、私がまず探すのは、お餅やたくわんなど素朴な産物たち。とりわけ気にかかるのは自然薯です。
 それを「これこれ」と選んだ上で、「とろろの会を開こう」と考えます。

アクが少なくて甘いなんて!

 自然薯というと、「細くてねじ曲がっていて、すり下ろすと同時にアクで茶褐色に変色する。味はえぐいもの」と思っていた私ですが、15年前に、この自然薯を知った時は、びっくりしました。
 健菜の自然薯は、何しろ立派。太くて、真っ直ぐな素直な形をしています。
 粘りはすごくて、見るからに滋養がありそうです。そのくせ、アクは少ないし、味にえぐみがなく、とろろにすると甘いのです。
 とはいえ、夫とふたり暮らしのわが家では、なかなか食べきれません。
 そこで、仲のよい友人の家族ともども、1年に1回「とろろの会」を開くことにしたのです。
 これまで互いの都合が合う限り、3家族で集まって来ました。これが、おいしくて、楽しいのです。
 それは、こんな会。
 大きなすり鉢で、ごりごりと自然薯をすり、だし汁と混ぜるのは、夫たちの仕事です。だし汁は、最初は、かつお節や昆布でとっていましたが、やがて「鶏のだしが一番合う」と定番になりました。
 小さな子供は、海苔を細く切る係。中学生は、焼きたての塩鮭を「アチチ」と言いながら、手で、細かくほぐす係です。刻み海苔やほぐし塩鮭は、子供たちが作業に飽きるほど、山のように作ってもらいます。
 さらに、刻みねぎや、ゴマなどの薬味を用意して、テーブルの上に、とろろ汁の入ったすり鉢をど〜んと置いたら、宴のスタートです。
 ご飯が盛られたお茶碗を手に、それぞれが、好きなだけ塩鮭や薬味を取り、とろろ汁をかけて、わしわしといただきます。
 次々におかわりをして、私でも3杯、男の子なら5杯はペロリと平らげるのではないでしょうか。
 「おいしいね」と箸が止まりません。「もうお腹いっぱいで食べられない」と、最後はみんながうなるのも恒例でした。

あの自然薯がある限り

 この会も、子供たちが成長し、就職したり結婚したりで、少しずつ様変わりしてきました。来年、集まるとしたら、どうやら親世代だけになりそうです。
 先日、「自然薯を注文するけれど、あの、とろろの会を開きますか?」と友人にメールをしてみました。
 すると、「と〜ぜん!あの自然薯があるなら、集まるべきでしょう」と返信があったのは3分後。
 だんだん、食べる量が減っている私たち。来年は、他の友人にも声をかけて、おとなだけの会を開くことにしましょう。
(神尾あんず)

健菜通信:アーカイブ

2018年 /  2017年 /  2016年 /  2015年 /  2014年 /  2013年 /  2012年 /  2011年 / 
ページの先頭へ