「おでんの具で好きなものは何?」
こう聞かれたら私の場合、大根、玉子、そしてこんにゃくがトップ3。でも、5年前は違いました。こんにゃくは10位以内にすら入れなかったでしょう。おでんをつくると、こんにゃくは食べきれずにいつも最後まで残っていましたから......。それを変えたのは、健菜の生芋玉こんにゃくでした。
健菜でこんにゃくの販売が始まった時は、「他と違いがあるのかな」と疑ったものです。しかし、試してみたら、サクッとした歯触りが独特で、苦手な臭みもありません。形は素朴ですが、味は上品で、味浸みもよくて、使い勝手が抜群によいのです。
それ以来、こんにゃく料理を頻繁につくるようになりました。ピリ辛炒めや甘辛煮、白和えなど、どれも家族に好評です。食べた翌日は胃腸が快調ということもあり、最近は、お好み焼きやサラダに入れるなど、レシピも色々。
このおいしさは、伝統的な製法(だそうです)で、原料に芋粉ではなく生芋を使っていることと、芋の質に由来しているのだろうと推測しています。こんにゃく芋は収穫まで3年かかるそうですが、どんな生産者が栽培しているのかしら。
ところで、私、25歳になるまで、こんにゃくの原料が芋だとは知りませんでした。それを知ったのはエジプト在住の日本人家庭で、こんにゃくづくりを手伝わされた時。若かった私は「そこまでして食べたいものかしら!」と軽く呆れつつ、命じられるままに、こんにゃく粉を何か(おそらく炭酸ソーダ)を入れたお湯で溶いて、必死で練りました。その時に「実家では芋からつくっていた」と誰かが発言。「えっ、これ芋の粉なの!」と驚いた私は「それでも日本人なのか」と周囲に笑われたものでした。
もし、これから長く海外生活を送ることになったら、私もこんにゃくを手作りするかしら。最近は、海外でもコレステロール値の上昇を抑えたり、ダイエットに役立つ健康食品として注目されているので、乾燥糸こんにゃくが簡単に手に入るそうです。でも、私は、機会があれば、好物の健菜のこんにゃくをスーツケースに詰めて日本から運ぶかも。結構、本気です。
(神尾あんず)
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