アルコールを受け付けない友人がいます。以前、喫茶店でケーキを口にしたところ、食べ終わる前に「クラクラする」と言い出し、動けない状態になった時には、その過敏ぶりに驚きました。
ところが最近、彼女が料理に目覚め、「煮物にお酒を入れると旨みが増すのよね」と言うではありませんか。芸術家でシングル、食に無関心だった友人は60歳を過ぎてから料理を本気で作るようになり、色々と発見があるようです。
それにしても意外でした。あんなにアルコールを遠ざけていた友人が、お酒を使うようになるとは...。
せっかくなので、「料理酒は良いものを選ぶべし」「例えば、健菜の純米料理酒とかね」と健菜の食材を推薦したのですが...。
彼女に「なぜ」と聞き返されて、即答できませんでした。
「料理がもっとおいしくなる」だけでは説得力がありません。結局、後日、健菜のホームページで調べた情報をメールで送りました。内容は高級な純米吟醸酒同様の良質の酒米と麹、水で醸造されていること。ただし、旨み成分(アミノ酸値)を最大限に引き出すべく、麹づくりや発酵のさせ方など、色々なところが吟醸酒とは異なっていること。その結果、大甘口に仕上がることなどです。
じつは、私自身、よく知りませんでした。何気なく「良いから」と使ってきた料理酒ですが、料理をおいしくする力は生産者による探究の賜物。料理の旨みを深くするセオリーに基づいていたのですね。
さて、わが家では煮物、お吸い物、酒蒸しにと出番が多い料理酒ですが、友人はどう使っているのかしら。まだ、煮物だけかな。そこで先日、カキの酒蒸しの写真を「冬はこれ!お試しあれ」とメールで送ってみました。
返信は「加熱時間が短いので、アルコールが残っていそうで心配」というもの。でも、しばらくして「アサリの酒蒸しからやってみる」と追加でメッセージが送られてきました。
ぜひ、試してほしい。鉄板のおいしさ、保証します。アルコールへの耐性、身に付くのではないかしら。
(神尾あんず)
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