健菜たまごのマヨネーズ

昭和じゃなくて令和の味

 マカロニサラダを作ることがありますか。私は、20年以上も作ったことがありませんでした。主食系パスタを副菜にすると、主食と炭水化物が重なるので、敬遠してきたからでしょう。
 しかし、今年の夏は違いました。頻繁に作り、秋になってもそれが続いています。

懐かしい味

 「はい、今日の突き出し」
 そう言って、老女将が出してくれたのが、マカロニサラダの小鉢。そこは、旧友に連れていかれた彼の馴染みの店でした。新橋の古びたビルにあるカウンターだけの小さな店は、客が自分で冷蔵庫からビールを取り出すシステム。客同士も顔見知りばかりで、まるで昭和の世界です。
 小鉢を見た客が「オッ、マカロニサラダね」とうれしそうな声を上げるのは、女将自慢の定番だからでしょう。実際、これが何ともおいしいのです。
ヤワヤワのマカロニがマヨネーズとからんだ味は、懐かしくもあり、ジャンクな感じもありで、ビールとの相性がバッチリでした。
 その翌夕、ビールが無性に飲みたくなって、頭に浮かんだのがマカロニサラダでした。酷暑続きの夏は、冷たいビールでひと息つかないと、夕食を摂る気にはなりません。で、いそいそとマカロニサラダを作ることが増えました。
 私のマカロニサラダもなかなかおいしいですよ。
 最初は、あの昭和の味を目指したのですが、それは無理。正直、健菜たまごのマヨネーズを筆頭に、食材が良いからでしょう。それに、たまごに加えて、オリーブやアンチョビなどを混ぜてみたりと、つい、アレンジをしてしまいます。
 わが家のマカロニサラダは、令和の味。ちょっとだけ凝っていて、上品です。
 そして今では、食事のおかずになっています。

辣腕コーディネーター

 考えてみたら、マヨネーズの万能ぶりには脱帽しかありません。野菜を和えるのには欠かせないし、料理のソースとしても使え、パスタにも合う。どんな食材も一つにまとめる、辣腕コーディネーターですね。なかでも、酸味がまろやかで旨みがはっきりしている健菜のマヨネーズの力は、抜群だと私には思えます。どう料理しても、結局、おいしくしてしまう。ただし、チープな味には向かないかもしれません。

(神尾あんず)

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